テクノロジーの進展により、世の「有線」なるものは、どんどん「無線」へと変貌を遂げています。
糸電話以外の電話も「コードレスフォン」になり、インターネット回線も今やほとんど無線LANです。
部屋の電気なんかは、かつてはヒモがぶら下がっていたものでしたが、リモコンスイッチや自動照明に切り替わっています。
(わたくしが就寝する際は、毎晩ヒモをカチッと引っ張っています…)
世の中に残されている「線」のなかで、われわれ釣り人にとってもっとも身近な線といえば、なんといっても「釣り糸」(ライン)です。
いつの日にか、釣り糸もなくなってしまい、ルアーを「無線」で操作する日が来るのかもしれません。
(糸くずが出ず、環境には優しい)
無線ルアーにお魚がヒットすると、そのままお魚をお手元まで運んできてくれ、釣り人はそれをタモですくうのです!
(もしやすでに開発されているのかもしれませんし、ゲームセンターで似たような体験をした気もいたします)
ですが、それでは一本の糸を通して伝わる魚の繊細なアタリも、魚の躍動感も、その他何もかもを、わが身に感じとることができません。
やはり釣りにおける最大の醍醐味は、お魚との「生死をかけた直接的なバトル」を身をもって体感することなのであります。
なお、そんなバトルを繰り広げて釣ったお魚が、「食べられない」であったり、「おいしくない」であったとしたら、わたくしは少々残念な気持ちとなります…
食いしん坊のわたしの場合は、「美味しいお魚」を「生命に感謝」しながらいただくことも、釣りには欠かせない大事な要素であるようです。
さて、本日も「静ヘッド+ワーム」をキャストします。
近頃は、おいしいシーバスを釣って余すことなくいただいておりましたが、食いしん坊であることが判明したわたくしは、「魚種変(味変)」にチャレンジしてみることにしました。
昨今の釣果情報によれば、金沢市近海では、アジやサゴシ、マゴチあたりが味変の候補となります。
昨年までの経験をもとに、アタマやカラダにかすかに残る記憶を呼び戻しながら、各魚種のヒット時のルアーや誘い方をなんとか再現しようと試みます。
マゴチを狙うにあたっては、静ヘッド+ワームをいったん着底させ、底をチョンチョンする「大技」(←大したことない)も試してみますが、なかなかヒットには至りませんでした。
↓ 「大技」のおかげでしょうか、意外と釣れています♪
ルアーはそのままに、誘い方を変えてみます。
底付近をスローでスイミングさせてみると、なにやら追いかけてきて、突っついてきます。
そのままルアーを泳がせ続けていると、ガツンと食いついてきました。
あまり引かないので、「小さなシーバスかな?」と思っていると、奥底へとゴンゴン突っ込みを見せ始め、一本の細いPEラインを通じて、竿を握る両の手にあの懐かしい感触が蘇ってまいります。
昨年7月以来、美味なるマゴチが釣れてくれました♪
釣果データ
釣れた日 2022年5月13日 07:26 中潮
魚種 マゴチ
サイズ 47.0cm
匹数 1匹
都道府県 石川県
エリア 金沢市近辺
ヒットルアー 静ヘッド10g+ワーム
マゴチは、砂地の底に潜んでいて、近くをベイトが通ると大きな口で襲いかかるという「待ち」の捕食パターンが一般的に知られています。
なので、静ヘッド+ワームをチョンチョンするやり方をよく使うわけなのですが、本日のマゴチは、貪欲に結構な距離を泳いでルアーをチェイスし、食いついてきました。
マゴチはさほど遊泳能力がないとされていますので、ワームの巻きスピードはギリギリの速さであったかもしれず、ギリギリ追いつくことができたのかもしれません。
もしも「無線ルアー」なるものがあったなら、一定の層を計算されたゆっくりとしたスピードで進むこともできるでしょうし、その結果「爆釣」となるかもしれません。
ですが、この釣り糸を通じての「ゴゴゴッ感」を味わえないのだとすれば、たとえ美味しいマゴチが食せたとしても、釣りの魅力は「半減」となります。
時として、ごちゃごちゃ糸が絡まったり、ちまちま解いたりして、面倒な思いをすることもある釣り糸ではありますが、何でも効率化、合理化、スマート化、スリム化されるのがよいとは限りません。
こちらの「線」につきましては、決して釣り場には残していけないものですが、この世の中にはいつまでも残り続けていただきたいし、われわれ釣り人に感動を伝え続けてほしいものであります♪
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